日用品や医療での酵素 -酵素@徹底解剖-



日用品や医療での酵素


酵素には、基質特異性というものがあります。これは、1つの酵素は
1つの物質に対してしか反応しない、という特性のことです。
この特性は酵素研究においては比較的古くから認識されていて、
よく「鍵と鍵穴」に喩えられていました。酵素であるタンパク質には
様々な大きさや形のものがあり、その大きさや形に合った物質にのみ
酵素作用を発現することが分かっていました。そしてこの基質特異性
を利用し、今では日用品や医療の分野で利用されるようになっています。

日用品であれば、洗剤や化粧品などです。例えば、洗剤の場合、汗や
油汚れは石鹸だけではきれいに落としきれません。これは、汗や油が
タンパク質を含んでいて、衣服の繊維に深く入り込んでいるため、
洗剤の主成分得ある界面活性剤では十分に落としきれないからです。
界面活性剤の含有量を増やすことで洗浄効果を上げることも不可能では
ありませんが、最近は界面活性剤の人体や環境に与える影響が憂慮され、
積極的な使用を控える傾向にあります。目に入った場合は失明の恐れも
あり、皮膚の弱い人が触れるとアレルギーを起こすことがあります。
また、界面活性剤を含んだ生活排水が水生生物へ悪影響を与えることも
報告されています。

そこで、汗や油汚れに対して酵素反応する、つまり、分解作用を発現する
酵素を加えることで、洗浄効果を高めようというのが、「酵素入り洗剤」
というわけです。酵素はもともとタンパク質の一種ですから、人体や環境
への影響も少なく、効果も高いことから最近は利用が増えています。
化粧品も洗剤同様、皮脂除去やむだ毛分解など、必要に応じて適切な
酵素を配合した商品が多く流通しています。


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